九州の味とともに 春

沖縄 じーまーみ豆腐

落花生の香りと甘みを感じる
プルプルモチモチの一品

“じーまーみ”とは、沖縄の言葉で“地豆=落花生”のことで、『じーまーみ豆腐』は落花生を使った料理。琉球王国時代(1429〜1879年)に生まれた宮廷料理で、中国からの使節・冊封使(さっぽうし)をもてなすための料理でもあった。当時は庶民が口にすることはできない料理だったが、明治時代以降に一般にも広がり、今に伝わっている。
豆腐といっても、大豆とニガリが材料ではない。水に浸けておいた落花生を砕いて絞った“落花生の豆乳”に、水で溶いたタピオカ粉を加え、加熱する。かつては葛粉がよく使われていたようだが、クセがなく落花生の風味をより引き出すという理由から、今はタピオカ粉を使うことが多いとのこと。加熱し徐々に固まってくる“豆乳”を木ベラなど使って手作業で練る。練り方や練る時間で食感が大きく変化するので、ここが作り手の一番の腕の見せ所だ。ほどよく冷やしたものを口に運ぶと、落花生の風味と甘みが広がり、プルプルモチモチした食感で喉越しもいい。醤油と砂糖を煮詰めたタレがたっぷりかけられることが多く、すりおろしたショウガが添えられることも。つまみにもおやつにもなり、幅広い世代で広く親しまれている。タレと合わせて食べる以外に、『じーまーみ豆腐』を使った揚げ出し豆腐も作られているようだ。

伊江島の落花生について

落花生の産地として知られる沖縄北部の伊江島(いえじま)。伊江村生活研究会いーじまま工房の友寄澄子(ともよせすみこ)さんと、ご主人の祐孝(ゆうこう)さんに落花生のお話をうかがった。伊江島では落花生のことを沖縄でよく使われている『じーまーみ』ではなく、『じーまみ』と呼ぶとのことだ。

種蒔き用のじーまみ。殻は堆肥に使うとのこと。
友寄さん夫妻
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●落花生の栽培
「3月下旬にじーまみの実を撒きます。先がとんがったほうの逆から芽が出るので、横に寝かせていくように蒔きますね。20日くらいで芽が出て、1カ月ほどすると黄色い花が咲きます。受粉した後、花があった部分が地中に潜っていき、そこから30コくらいの実がなるんです。6〜7月に収穫ですね。地中の浅いところで育つので、ネズミやカラスが狙ってますね(笑)。収穫したじーまみのいくつかは、乾かして保存しておきます。それが次の年の種蒔き用の実になるんです」。

●落花生の食べ方
「炒っても食べますが、蒸して食べても美味しいですよ。特に蒸してすぐは栗みたいにホクホクしています。『じーまーみ豆腐』も美味しいですが、作るのがちょっとめんどくさいですね(笑)。黒糖をまぶして黒糖ピーナツにしたり、油味噌に使ったりもしますね。節分の時には殻付きのじーまみで豆撒きして食べることもあります。殻付きだから拾って食べやすいですしね。じーまみは伊江島の土地に合うから、美味しいじーまみが育つのでしょう。伊江島は島の形がじーまみの形でもありますしね(笑)。私たちは伊江島のことを“いーじま”と呼びますが、いーじまのじーまみは最高ですよ」。

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「じーまーみ豆腐」、三様。

三人の料理人が語る、それぞれのこだわりとは

この料理の"味のキーワード"
下ごしらえ

殻をむいた落花生を水に浸けておくのが一般的。薄皮はむいたものを使うことが多いが、むかれていないものが使われることもある

作り方

水に浸けておいた落花生をミキサーにかけ、布袋に入れて“落花生の豆乳”を絞りとる。水で溶いたタピオカ粉を入れて火にかけ、木ヘラ等で練る

タレ

醤油と砂糖を煮詰めたタレがたっぷりとかけられることが多い。薬味としてすりおろしたショウガが添えられることもある

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