九州の味とともに 冬

宮崎 めひかりの唐揚げ

深海に輝くエメラルドグリーンの目
漁師が365日食べても飽きない魚

日向灘の大陸棚に多数生息している『めひかり』は、宮崎県北の特産品。“めひかり”=“目光”。学名はアオメエソだが、泳いでいる時や水揚げされた時の目が、エメラルドグリーンに輝いていることから、漁師たちには昔からそう呼ばれていたとのことだ。水深200〜300mに棲む体長15cmほどの深海魚で、顔はグロテスク。そのためもあってか、広く食べられるようになったのは、延岡市の日本料理店『高浜』がめひかりを使った料理を手がけるようになった、1980年くらいからだ。現在では、宮崎県各地で『めひかり』を食べられる飲食店も多い。

代表的な料理法は、唐揚げ、天ぷら、南蛮漬けなど。さっぱりとした味はキスに似ているが、淡白にしてほどよい脂がのっている白身には、より深い旨味がある。身はもちろん骨までやわらかいので、唐揚げにすれば丸ごと食べられ、頭から尾まで残すところはない。塩とレモンなどの柑橘の絞り汁をかけていただけば、身の甘味がより引き立つ。

食べやすく美味しいことから広く知られるようになった『めひかり』。その旨さを早くから知っていた地元の漁師たちは、「めひかりは365日食べても飽きない魚」と言っていたという話も伝えられている。

めひかり

■『めひかり』について

多くの『めひかり』が水揚げされる土々呂港(ととろこう)。延岡市漁業協同組合の阿部雅芳さんに漁についてお話をうかがった。

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「めひかりは、この土々呂港と北浦あたりでよく獲れますね。めひかりと一言で言っても、たくさんの種類があるんです。大きく分けると、『めひかり』と『ともめひかり』。でも、一般の方が見てもわからないですね(笑)。味もそれほど変わりません。1年中獲れますが、5・6月は禁漁です。昔からよく獲れていて、夏は体長30cmくらいの大きいものも揚がりますよ。めひかりは深海魚なので、水深300mくらいの深さに仕掛ける底引き網で漁をします。船の上に揚がってきたときには既に死んでいますので、すぐに氷水の中に投入します。他の深海魚は船上に揚がると膨らんだり目が飛び出したりしますが、めひかりは変わりませんね。色も変わりません。

その名の通り目が光っているめひかり

目はエメラルドグリーンに光っていますね。やわらかくて食べやすい魚で、唐揚げにすることが一番多いです。このあたりでは給食にも出ているくらいです。塩焼きとか味噌汁に入れたりもしますよ。加工品としてはみりん干しなども美味しいですね。生のものがスーパーでも売られていますが、それは既にウロコが取ってあるものです。細かいウロコが多くて、手にくっつくし、ウロコ取りがよだぎい(面倒くさい)んです(笑)。だから一般の方は生ではあまりさわらないですね。

延岡市の交通安全を推進するバッヂ

それから、目を光らせて見守るという意味からか、『めひかり』は、この地域の交通安全のキャラクターにもなっていますよ(笑)」。

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「めひかりの唐揚げ」、三様。

三人の料理人が語る、それぞれのこだわりとは

この料理の"味のキーワード"
下ごしらえ

細かなウロコを取り、さばいた後、片栗粉をまぶす。この段階で塩をふるなどして下味をつける場合もある

揚げ方

中まで火が通った後も少し長めに揚げたり、二度揚げしたりと、表面がカラリと揚がるような工夫がなされている

味付け

揚がったものに、柑橘類の絞り汁をかけ、塩をふりかけて食べる。シンプルな調味料が『めひかり』の美味しさを引き出す

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