たっぷりの具材にアツアツの鶏スープ
奄美大島に伝わる南国の鶏料理
おひつに入っているごはんを茶碗につぎ、皿に盛られた具材をのせる。具材は甘辛く炊いたシイタケ、錦糸玉子、アサツキ、パパイア漬け、海苔などだが、その中心は茹でて細く裂かれた鶏肉だ。具材を自分好みにのせたら、鉄鍋に入ったアツアツの鶏のスープをたっぷりとかけていただく。鶏を丸ごと使い、ゆっくりと時間をかけて作ったスープは澄んだ黄金色。さっぱりとした中に鶏の濃厚な旨味が広がっていく。
『鶏飯』は、江戸時代に奄美を統治していた薩摩藩(島津藩)の役人をもてなすために作られていたと言われる料理。当時は鶏肉の炊き込みごはんのようなもので、庶民からは遠いものだったが、戦後、現在のスープ茶漬けのような形になったと言われている。昭和43年に当時の皇太子ご夫妻が奄美を訪れ、その美味しさにおかわりされたという話が伝わった頃から、広く知られるようになった。現在は奄美大島を代表する郷土料理で、鹿児島県内では給食メニューにも登場するほど親しまれている。
具材に奄美名産である『タンカン』の干皮なども入り、柑橘類の風味を加えるのも特徴。華やかな香りが立ちのぼると、“南国・奄美”の料理だということをより強く感じる。
古代から本土と大陸との交易の中継地として栄えていたが、15世紀半ばからは琉球王国の支配を受ける。そして、江戸幕府が成立した17世紀初めからは薩摩藩の支配を受け、明治時代の廃藩置県によって鹿児島県となった。琉球王国と薩摩藩の支配が、奄美大島の文化にも様々な影響を与えている。鶏飯もその一つだ。
ミカン科の常緑樹。中国・広東省が原産地で19世紀末に台湾から南西諸島に伝わったとされている。
原産地はメキシコだが、沖縄や南西諸島では自生しており、奄美大島でも庭先に自生している。熟す前の青いパパイアは奄美大島では漬け物になることも多い。皮をむいて千切りにしたパパイアを炒め物にもする料理もある
基本的な材料は、鶏、水、塩。通常の食肉用よりも長期間育てた鶏を丸ごと使い、時間をかけじっくりと煮て澄んだスープを作る
トッピングの具材の中心が鶏肉。もも肉や胸肉を手作業で丹念に裂いて細くしていく。スープを作る時に使った鶏肉も使われる
鶏肉に加え椎茸、錦糸卵は欠かせない。パパイア漬けなどの漬け物や、タンカンの干皮などを入れて柑橘類の風味を加えるのも特徴
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