九州の味とともに 秋

沖縄 にんじんしりしりー

にんじんの甘味を卵でとじた
沖縄を代表する家庭料理

「小さい頃からお弁当に入っていたし、いつも食べてるよ~」。沖縄のみなさんは、そう教えてくださる。ごはんのおかずとしてもつまみとしても食べられている『にんじんしりしりー』は、沖縄の食卓に欠かせない誰もが知っている家庭料理だ。

“しりしりー”とは、“すりすりする=すりおろす”という意味の方言。『しりしりー器』と呼ぶ専用の千切りスライサーでにんじんをやや太めの千切りにして、油で軽く炒めた後、蓋をして弱火で火を通す。にんじんに火が通ったら、塩やコショウなどで味付けし、溶き卵を合わせればできあがり。じっくりと熱を加えることでより甘味が増したにんじんに、フワリとからむ卵がよく合うし、にんじんのオレンジ色と卵の黄色で彩りも鮮やか。手軽に作れてカロテン等の栄養価が高いことも家庭でよく作られている理由だ。

沖縄では各家庭に必ず『しりしりー器』があるとのこと。そして、家々によってツナ、コンビーフ、豚肉、ニラなどが加えられることもある。小さい子どもからお年寄りまで、また、あまりにんじんが好きではない方からも愛されている『にんじんしりしりー』。沖縄の強い陽射しの中で育ったにんじんの美味しさを引き出す料理でもある。

しりしりー器

『にんじんしりしりー器』とも呼ばれる『しりしりー器』は、沖縄の様々な場所で売られている。

続きを読む

公設市場近くにある『ミヤギミート』には4穴から7穴まで穴のサイズが違う『しりしりー器』が販売されている。4穴は細めのフライドポテト、7穴はキンピラの太さというイメージとのこと。家庭で『にんじんしりしりー』を作る時は6穴がおすすめだが、飲食店では5穴が使われることが多いのだそうだ。

●ミヤギミート
住所/那覇市松尾2-10-20
電話/098-862-4450
営業/8:30~20:00
休み/元旦のみ

『しりしりー器』が店頭に並んでいる様子

4穴(左)と7穴(右)
閉じる

美らキャロット

沖縄本島でにんじんの生産量が多い糸満市を訪ね、JAおきなわ南部地区営農振興センター農産部野菜果実指導課の立石豊さんにお話をうかがった。

続きを読む

「この地区では約200人のにんじん専門部会員がいて、合計で約1000トンのにんじんを生産しています。8月下旬から植え付け、11~5月が収穫の時期ですね。Lサイズが180~250gで、島にんじんを含め4種類ほどのにんじんを栽培しています。海風を受けることもあり、ミネラルやカルシウムが豊富で甘さが強いにんじんが育ちます。昔からたくさん栽培されていたようです。平成18年からは『美らキャロット(ちゅらきゃろっと)』というブランド名で広く販売しています。『にんじんしりしりー』をはじめ料理として食べるのはもちろんですが、ペースト状にしてサーターアンダーギーに入れるといった加工品もあるんですよ」。
『美らキャロット』は『ファーマーズマーケットいとまん』などで購入することができる。

●ファーマーズマーケットいとまん
住所/糸満市西崎町4-20
電話/098-992-6510

美らキャロット

『ファーマーズマーケットいとまん』での販売の様子
閉じる

津堅島

にんじんの生産が盛んで、『キャロットアイランド』と呼ばれている津堅島(つけんじま)を訪ねた。
島の産業や観光に広く携わる神谷観光の神谷幸栄(かみやこうえい)さんにお話をうかがった。

続きを読む

「にんじんは10月から植え付けが始まって、1月頃から収穫です。ちょうど芽が出ている時に台風が来ると塩害が広がってしまいますね。津堅島の土は赤土ではなくて砂も少し混じっていて、『マージー』と呼ばれています。パイナップルには合わないけれど、にんじんには適した土壌なのです。だから、昔からにんじん栽培は盛んでしたね。津堅島のにんじんは、同じ種類のにんじんでも甘いんです。ミネラルや栄養分も豊富なようですよ。収穫の時期は港がにんじんだらけになりますね(笑)」。

続いて、津堅島で30年以上に渡ってにんじん栽培を手がけている恩納謙勝(おんな けんしょう)さんにお話をうかがった。
「この島ではどんな作物を植えても、他の場所で育てるより甘味が出るんですよ。それは海風が吹くからかな。畑で作業していて、肌をなめたら塩辛いよ(笑)。機械化もすすんで約2万坪でにんじんを育てていますが、種を蒔いたら、後は収穫するだけ。水は雨水に頼っていますし、自然に任せています。ただ、台風だけが心配ですね。肥料は、浜辺に打ち上げられた海藻を乾燥させたものを使っていますよ。9月~11月に種を蒔いて12月~4月までが収穫。すごく甘いから畑で生でかじったりもしますね。島では、収穫の時期には、にんじんドレッシングやにんじんジュースなどが販売されていますよ」。

●津堅島へのアクセス
うるま市の平敷屋港(へしきやこう)から高速船で15分、フェリーで30分
問合せ/神谷観光 098-978-1100

フェリーにもにんじんのイラストが描かれている
閉じる

「にんじんしりしりー」、三様。

三人の料理人が語る、それぞれのこだわりとは

この料理の"味のキーワード"
材料

基本的な材料はにんじんと卵。その他にツナ、コンビーフ、豚肉、ニラなどの材料が加えられることもある

調味料

塩、出汁、醤油などで味付けするが、にんじんの甘味を生かすため、あまり濃い味付けにすることはないようだ

作り方

しりしりー器で千切りにしたにんじんを炒め、蒸し焼きする。味付けしたあと、溶き卵をからめながら火を通す

あなたが「この料理と飲みたい一本」はどれ?

みんなの飲みたい一本
白霧島 黒霧島 赤霧島

3本の中から飲みたい一本をお選びください。

  • 白霧島
  • 黒霧島
  • 赤霧島

あなたが「この料理と飲みたい一本」はどれ?

みんなのおすすめの飲み方
ロック 水割り お湯割り

3種類の飲み方からおすすめを一つお選びください。

  • ロックで
  • 水割りで
  • お湯割りで

料理を囲んで食を語らう by twitter

このページを共有・ブックマークする