九州の味とともに 秋

この料理の"味のキーワード"

牛肉

細切りにした牛肉を甘辛く炒める。ローストビーフを使ったり、牛肉の代わりに鶏肉やイノシシ肉が使われる場合もある

野菜

レタスやキャベツなど葉もの野菜とトマトがよく使われる。佐賀県産の旬の野菜が使われていることが多い

作り方

あたたかいごはんの上に生野菜、炒めた牛肉をのせてマヨネーズをかけるのが基本だが、野菜にドレッシングをふりかけたりもする

語り 喫茶アリユメ 古川誠の「シシリアンライス」

シェフ・古川誠さん

ビルの地下に喫茶店としてオープンしたのは1974年(昭和49年)。季節ごとにかけ替えられる絵画やレトロな調度品など、今も古き良き喫茶店の雰囲気が漂う。

現在は喫茶メニューに加えて食事メニューも豊富。カレー、ハンバーグといった洋食からエビのグリーンカレーなどエスニック料理も食べることができる。そして、40種類ほどある食事メニューの1番人気が『シシリアンライス』だ。
「当店では、1990年代半ばから『シシリアンライス』の提供を始めています。2009年(平成21年)に開催された『第1回九州B-1グランプリ』で『シシリアンライス』がシルバーグランプリを受賞し、それから人気に火がついたようですね。現在は40軒以上のお店で出しているようですし、居酒屋さんや焼肉屋さんなどでも食べることができますね。給食でも出されているようですし、毎年4月4日はシシリアンライスの日でにぎわいます。街おこしにも役立っていますね」。

そう語ってくださるシェフ・古川誠さん。『アリユメ』で仕事をされるようになって『シシリアンライス』を初体験されたのだそうだ。
「初めて見た時はサラダなのかなと思いましたね。食べてみると思ったよりもボリュームがあっておなかいっぱいになりました。温かいごはんの上に冷たい生野菜、その上に味付けした温かい牛肉…温かいと冷たいのサンドですね(笑)。ごはんとおかずと野菜が1皿にまとまってます(笑)」。

作り方を教えていただいた。
「当店の『シシリアンライス』はベーシックなものです。お皿にごはんと生野菜をのせて、マヨネーズをかけて、トマトを添えて、味付けした牛肉をのせる…それだけです(笑)。各家庭でも簡単に作れますし、ご自分で作っていらっしゃる方も多いですね」。

しかし、古川さんの『シシリアンライス』は、素材の揃え方や作り方に気が配られている。
「お米は契約農家さんにお願いしている『さがびより』です。そして今日使った野菜はキャベツ、レタス、白菜、春菊、水菜、紫キャベツ、ニンジン、カイワレ、トマト、トレビスなど。最低でも8種類を使っています。季節で少し変わって、冬は大根なども使いますね。ほとんどが佐賀県産のものです。普通のタマネギだと辛くて合わないですが、新タマネギを使うことはありますよ。刻んだ野菜はオリーブオイルと酸味のある自家製ドレッシングであらかじめ和えているんですよ」。

切った野菜にオリーブオイル自家製ドレッシングを和える

「牛肉は細切りにして注文が入ってから醤油ベースの甘辛い特製のタレをからめて炒めています」。

最後にコーンとカイワレをのせてできあがった『シシリアンライス』はお皿の上に盛られた野菜の小山のようだ。

ごはんの上に野菜をのせてマヨネーズをかける。トマトを並べ、味付けした牛肉とコーンとカイワレをのせてできあがり

「ごはんが見えないので山盛りサラダみたいですよね(笑)。よく混ぜて食べるのもいいですが、混ぜ過ぎると野菜から水分が出過ぎてしまうので、牛肉を小分けにしながら少しずつ食べるのがおすすめです。温かい、冷たい、温かいと不思議な温度の違いも楽しめますよ」。

しっかりと味がついている牛肉にごはんと野菜がからみあいおもしろい味わいだ。
「うちの『シシリアンライス』はベーシックなものですが、店によって野菜や味付けが違ったり、ローストビーフを使ったり、ブルーベリーソースがかかっているものもありますね」。

食事の後は、一杯立てのハンドドリップコーヒーと自慢の『ベークドチーズケーキ』でくつろぎの時間を。
「地下にある古い店で開店当時から“大人の隠れ家”的な空間です。お客さんは30〜40代の方が多いですが、80代の方もいらっしゃいます。朝8時オープンでモーニングもやっていますので、毎朝コーヒーを飲みに来られる方、毎日食事に来られる方もいらっしゃいますよ。ですからできる限り安心・安全な食材を使うことも気にかけています」。

店名の『アリユメ』はフランス語の『allumer(アリュメ)〜灯りをともすなどの意味〜』から付けられたもの。開店以来変わらない空間と食に対する想い…あたたかな灯りは40年以上ともりつづけている。

この料理人こだわりの「味のキーワード」

牛肉

細切りの牛肉を使う。注文が入ってから、醤油ベースの甘辛い特製のタレをからめて炒めている

野菜

取材時はキャベツ、レタス、白菜、春菊、水菜、紫キャベツ、ニンジン、カイワレ、トマト、トレビス他。最低でも8種類を使う

作り方

皿にごはんと自家製ドレッシングで和えた生野菜をのせて、マヨネーズをかけ、トマトを添えて、味付けした牛肉とコーン・カイワレをのせる

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喫茶アリユメ食事メニューが豊富な古き良き喫茶店

ビルの地下に喫茶店としてオープンしたのは1974年(昭和49年)で、古き良き喫茶店の雰囲気が漂う。40種類ほどある食事メニューも豊富でカレー、ハンバーグといった洋食からグリーンカレーなどエスニック料理も食べることができる。『シシリアンライス』はごはん、生野菜、マヨネーズ、甘辛く炒めた牛肉を重ねたベーシックなものだ。

『シシリアンライス』(スープ付き)700円(税込)。ランチタイム(11:00〜15:00)はドリンク付き
『えびのグリーンカレー』950円(税込)。やわらかな口あたりの後、刺激的な辛さが広がる
コーヒーと一緒に楽しみたい『手作りベークドチーズケーキ』。単品500円(税込)、コーヒーか紅茶付きのセット800円(税込)
ビルの入口。お店はここから階段を降りたところにある
開店以来、幅広い世代に愛されている落ち着いた雰囲気の喫茶店だ
お店の横にはギャラリー空間もあり、予約すればこの空間で食事することもできる

喫茶アリユメ

住所 佐賀県佐賀市中央本町1-10 寺元ビル地下1階
電話 0952-26-7215
営業 月〜木曜8:00〜17:00、金・土曜8:00〜19:00、祝日11:00〜16:00 ※食事は11:00〜15:00
休み 日曜
50席
カード 不可
駐車場 要問合せ(寺元ビル駐車場利用時割引あり)
URL なし
※記載した内容は2016年9月20日現在のものです。
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