九州の味とともに 秋

佐賀 つがに飯

美しい川の流れが育むつがに
その旨味が、ごはんの一粒ずつに…

『つがに』の正式な名前は『もくずがに』で、日本各地に分布し食されている。『やまたろう』、『つがね』等々、地域ごとに様々な呼び名を持つ。佐賀県では主に『つがに』と呼ばれ、『つがに』を米と一緒に炊き込んだのが『つがに飯』。佐賀県唐津市の玉島川(たましまがわ)流域、松浦川流域などでよく食べられている郷土料理だ。

海で生まれた『つがに』は、やがて川の上流へと上る。そして、秋から冬にかけて、産卵のために海へと下るのだが、この川を下っていく『つがに』を、網などで捕まえて食べるのだ。腹の部分、甲羅、エラなどを取って、米と一緒に炊きあげる。味付けは醤油、塩など必要最小限のもの。『つがに』が持つ独特の香り、コク、甘味を最大限に引き出すためだ。ごはんの一粒ずつに『つがに』の旨味が染み込んでいる。『つがに飯』以外では、味付けした出汁で煮込む『姿煮』、丸ごとすりつぶして椀物としていただく『かに汁』などにしても食べられている。

食通の間で有名な『上海ガニ』の正式名称は『上海モクズガニ』。つまり、『つがに』と同属異種で親戚のようなもの。その味わいも『上海ガニ』に負けず劣らず。美しい水の流れを持つ佐賀の川が育くんだ味だ。

つがに漁

つがに漁について、玉島川漁業協同組合代表理事・中村邦彦さんに話をうかがった。

●仕掛け

『かにかご』

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昔は穴釣りというのをやってましたね。細い竹にミミズをつけて、石の下などにもっていくとつがにが出てくるのでそれを手でつかまえるのです。
今は『かにかご』と『かにうけ(『戻らず』とも呼ぶ)』を使った漁が行なわれていますね。『かにかご』は、四角いかごにエサを入れて川に沈めておくというもの、『かにうけ』は竹で編んだ筒状のもので、これも川に沈めておきます。『かにうけ』にはエサは不要です。 どちらもフタがあるわけではないのですが、つがには一度入ると出られなくなってしまうんですよ。たくさん獲れてしまう『かにかご』は、七山村では禁止されていますね。

『かにうけ(戻らず)』

●仕掛けを置く場所

つがにが産卵のために川の上流から海へと下っていくのを狙うわけですが、つがには川の流れがゆるやかなところを通っていくので、その通り道に仕掛けておきます。大体、川の縁のほうを通っていくことが多いですね。雨が降った後がよく獲れるようです。
玉島川では、8月1日から12月31日までが漁ができる期間と決まっています。

●つがにの特徴

大きさは大体200~300gですが、大きいものは700gにもなります。田んぼの近くでは養分が多いためか大きくなるようですね。色は大体青黒いものが多いです。毎年盆過ぎるとよく獲れるようになりますが、11月初めの『唐津くんち』の祭りがある頃が美味しくなるようです。
獲ったら食べる直前までかごに入れて生かしておきます。かごは川の中に入れておいたりしますが、完全に水の中に沈めてしまってはだめなんです。つがには時々空気を吸いに水上に出てくるんですよ。

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玉島川と国道323号線

玉島川沿いを走る国道323号線沿いには、秋から冬かけて『つがに』の看板をよく見かける。看板を掲げている店では、生きたつがにの直販、つがに飯などを販売している。

つがに七山の看板

「つがに飯」、三様。

三人の料理人が語る、それぞれのこだわりとは

この料理の"味のキーワード"
下ごしらえ

しめておとなしくした後、お腹の皮のような部分、背中の甲羅、エラの部分などを取り除く。しめ方にもいろいろあるようだ。

味付け

基本的に塩、醤油など最低限の調味料しか使わない。つがにそのものの味わいを引き出し、ごはんに染み込ませるためだ。

炊き方

つがにを生の状態から炊くことが多い。一度外した甲羅の部分にはミソもついているため、一緒に入れて炊く。

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